機材

ロードバイクの楕円チェーンリングのメリット

みなさんこんにちは。けいすけです。

楕円ギアって良いんでしょうか?っていう質問をすごくもらいます。

と言う事で徹底的に解説してみました。たぶん面白くない記事ですし、かなり堅い記事になっていますので興味のある方だけ読み進めてください。

先に結論を言っておくと、こうなりました。

要点

楕円ギアだと、3時付近で歯数が多くなるために、3時付近を通過するときのクランクの速度が落ちる。

そうすると、3時付近をペダルが通過する時間が長くなる。

このときに、クランク1回転の間にしなければならない仕事(J)が同じであるなら、円形よりも弱いパワー(ワット)で回すことができる。

当然のことながらパワー(ワット)が大きければ筋肉に疲労(筋繊維の破断や乳酸)が蓄積される。そのため、円形ギアより弱いパワー(ワット)で回すことができる楕円ギアは、疲労が蓄積されにくい。

そもそも、楕円ギアを使ってもバイク自体の効率は何も変化しない

まず、どんなシチュエーションでも、楕円ギアと円形ギアで必要なパワー(ワット)は変わりません。

わかりやすく平地巡航をイメージしてもらうといいのですが、平地巡航をする空気抵抗と機材の機械的な抵抗に打ち勝たなければならないです。

そのため、楕円ギアだろうと円形ギアだろうと同じだけのパワーが必要なんです。

では楕円ギアによってなぜ効率が良くなるかというと、同じパワー(ワット)を出してたとしても、楕円ギアなら円形ギアより人の体に疲れがたまりにくいからなんです。というか、それしかないです。

条件の整理

具体的なケーススタディをしながら、なぜ体がラクをできるのか?を考えていきます。

ペダル上でどのようにパワー(ワット)を出しているのかを見ながら、「何でラクをできるのか?」について考えていきます。

条件としてはイメージしやすいように、200Wのパワーで36km/hで巡航しているシチュエーションにします。

クランク周りの分析

さっきも言ったとおり、ロードバイクの駆動系の効率は楕円ギアだろうと円形ギアだろうと変化がありません。だからチェーンやスプロケットにいくら着目しても効率が向上するという答はでてきません。効率は同じなんですから。なので、なぜ人間がラクをできるのか?と言う事を考えていきます。

と言うことで、ペダル上で人間がどのように踏み込んでパワーを伝えているかを考えてみます。

まずは円形ギアで分析を始めて、楕円ギアには途中から登場してもらいます。ペダル上ではまあ実際にはいろいろな方向に力が働いているんですが、クランク上の全周でペダルを踏むわけではないですよね。

ざっくり言うと0〜6時くらいでペダルを踏み込みます。ここでは問題をシンプルにするために、ペダル上を4つの区間に分けて、1:30〜4:30の間だけペダルを踏み込むと言う事にします。

さらに左右のペダルを別々に考えるとこれもまた面倒なので、ここでは、左右を合わせて考えてしました。右足は1:30~4:30の間に踏み込み、左足は7:30~10:30の間にペダルを踏み込むとします。

ここで最初の条件に登場してもらいます。36km/h巡航を維持するためには、平均で200Wの出力を出さなければならないとすると、ペダルを踏み込めるの全体のうちの半分なので、実は瞬間的には倍の400Wでペダルを踏んでいるんですね。

400W→0W→400W→0W→・・・
を繰り返して、平均200Wのパワーを出力しています。

さっきの図に、クランクのスピードや、それぞれの角度の間のギアの端数を書き込んでみます。

ギアは52Tを想定しているので、4つに分けたそれぞれの区間では歯数は13枚になります。クランクは76.7rpmなので、0.782秒で1周することになります。と言うことは4つの区間それぞれを通過するのは、0.195秒ですね。

円形ギアと楕円ギアの比較

ここで円形ギアと楕円ギアを比較してみます。どちらも同じ52Tとします。そして楕円ギアは踏み込む所の歯数が14枚、踏まないところが12枚としました。ロードバイクは後輪が地面に接しているため、後輪→リアギア→チェーン→フロントギアと機械的に接続されているため,フロントギアの歯の進み方は一定スピードですね。歯の進み方が一定速なのに歯は楕円形に配置されているために、クランクの進み方は一定スピードでは無くなります。踏み込む所を通過するのにかかる時間は円形ギア0.195秒に対して、楕円ギアは0.211秒になります。楕円ギアの方が踏める時間が長くなるんです。

ではこの図に、平均400Wを出すために、踏み込む所でどれくらいパワー(ワット)を出せば良いのかを書き込んでみます。楕円ギアは円形ギアと比べて長い時間踏み込む必要があるが、パワーは小さくて良い!これが楕円ギアの効果です。

グラフに表してみます。楕円ギアにすることで,トータルとして同じパワーである200Wを出力しながらも、踏んでいる間のパワーを400→371Wに減らすことができる。そして踏んでいる時間は0.195→0.211秒に長くなります。
つまり楕円ギアにすることで、人間のパワーが平準化されることになります。これが楕円ギアのメリットです。

当然のことながらパワー(ワット)が大きければ筋肉に疲労(筋繊維の破断や糖の消費)が蓄積される。そのため、円形ギアより弱いパワー(ワット)で回すことができる楕円ギアは、疲労が蓄積されにくい。これが、楕円ギアは効率が良いと言われることの正体です。


以上です。ああ良かった、すっきり解決しました( ‘-‘)これで心置きなく楕円ギアを使えます。

ぜひ参考にしてもらえたら嬉しいです。

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おおのけいすけ
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